少数の法則
法則も公式もない。経験則しか通用しない知らない世界がある。

経験から学ぶ波平画像
知ってる?知らない? そう…
 愚者は経験から学び賢者は歴史から学ぶというそうですが
経験則
少数の
法 則
などと侮ってはいけません。
常識を覆すような少数の法則、つまり経験則があるかもしれない。
慣れてしまえば単純作業
友野典男
明治大学情報コミュニケーション学部教授。
専攻は行動経済学、ミクロ経済学。
「経済行動に及ぼす心理的・社会的・生物的要因の理論的・実証的研究」を近年のテーマとしている,そうです。

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概論
大数の法則
少数の法則
経験則と感性
効率的市場仮説
法則と経験則
分散の悪戯
常識は多数決
おしり独占2分間
運命の原則



平林:
確率の何が難しいって、やはり感覚と違うところですよね。
 
友野:
人の感覚の特徴に“少数のデータで全体を判断してしまう”というものがあります。“少数の法則”というのですが、“ほんのいくつか試みただけで、すぐ一般的傾向を引き出してしまう”癖・バイアスです。
 
平林:
自分の少ない、あるいは、持ち合わせていない“経験”で、全体を判断してしまうわけですか……。うーん、非常にありがちですねぇ。
 
友野:
確率の問題でいう“理論的確率”って、論理的には無限回の試行を繰り返したときの発生率で、それを“大数の法則”というんですね。けれど、普通はそんな“大数の法則”が働くほど多くのサンプル・経験を人は持ち合わせていないわけです。だから、合理的な“確率”って、やはり人間の自然な発想からは非常に遠いんじゃないか、と思いますね。
 
平林:
なるほど……。“少数の経験”に基づく経験則で私たちは動きがち、というわけでしょうか?
 
友野:
そうですね。そんな経験則や、あるいは目安といったものを、人はあらゆる判断の場面で使ってるんじゃないかと思います。実際問題、“ありとあらゆる選択肢を考えたうえで、その中から最適なものを選び出す”なんて不可能ですからね。
 
平林:
少数の経験”に基づく経験則でも、限られた情報・時間の中で、素早く判断するには、結構役に立つ、というわけですか。
 
波平的経験則、精度が高ければ大数の法則の域に近づくこはありそうですね。
でもまだ問題があります。それは「分散」
これについては学習室でじっくり考えてみるといいですよ。
 
 バイアス 簡単に言えば「偏見」という意味のようだ。そういえばわかりやすいのに。ったく学者という生き物は!

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